綴りかた日記

はてなダイアリ―から移行しました(2019.02)

束の先にほろほろ黄色の花が咲く菜の花、緑の苦み

法律テキストは家で読むつもりが、頭が切り替わらず、どうも集中できない。
仕事は「年度末」の追い込み。事務所に持ち込んで気に入って使っていた薄手の有田焼マグカップから手が滑り、あっけなく床で割れてしまう。何かが終わる時期。お弁当は、ありあわせの材料で、でも春らしいものを多めに作り、仕事でやって来た友人と分けて遅めの昼食―うどの梅酢胡麻味噌和えを不思議なほど褒められたけれど、気に入ってもらえて嬉しい。
夜更けに帰宅後、友人が威勢よく電話してくる。「びしゃびしゃの霜降り肉なんて美味しくない」「矜持があるなら養殖の鯛なんて出しちゃいけない」に始まり、いわゆる老舗や美食の幻想、店と客や医師と患者が互いに偉そうにせず崇め過ぎない正しい関係、細やかな気働きの必要、食べ物の好みも含めた「ちまちましない在り様」への志向等々。つまりは欲望があるからこそ生きていけるのだろうという話になるのだけれど、市場でごくありきたりのパンと苺を買えて喜んでいる私とはエネルギーの質やベクトルが違う人なりの反応が面白く思えるし、いろいろ考えさせられる。