綴りかた日記

はてなダイアリ―から移行しました(2019.02)

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小さな花瓶から溢れる瑞々しい花々の束―ピンクと白の薔薇、ガーベラ

日記を充分書けなかった日の分を埋めたり、少しの家事や家業の手伝いをしていて一日が過ぎた。勉強や片付けが捗らない。 手足や首筋をほぐしたり、温かい水分をしっかり摂るなど、身体を細かくケアするのを通じて「着地」しようとしているのだが、身体鍛錬の…

休日の空、昼に見る夜に見る上弦の月

歯科、美容室、家族に頼まれた贈答品選び、身体鍛錬の参考書購入など―一日、賑やかな街に出て、自分のための休日らしい用事が次々片付く。通りがかりのアクセサリー店で、掌大なのに嘶いてどこかへ駆けていきそうな躍動感のあるヴェネチアングラスの馬など、…

ふさふさ繁る茴香を、一昼間で裸の茎にした小蟲らの影絵

そのフェンネルの花言葉は、「賞賛」や「強い精神」なのだそうだ。 朝早くから気持ちよく動けない、考えられないのは、睡眠のリズムが崩れているだけが原因ではない。仕事場には遅めに顔を出すことになり、すいすい捗ったともいえないが何とか幾つかの用事を…

夏に向かう午後七時過ぎの、まだ明るい空。商店街に漂う、コロッケのにおい

自分をかまうことができずにいると生活が崩れそうなのを感じて、せめて朝からお弁当をきちんと作ろうとする。胚芽米のご飯を炊いて梅干を添え、小松菜と薄揚げの煮びたし、かぼちゃとひじきの煮物の、ひなびたおかずを二品。 仕事は単純に進まない用件もある…

バゲットの皮の香ばしさの上に曲線を描き出す、30年もののシェリーの甘さ

先月来、時間を大幅に取られて心身消耗させられていた仕事の一つが、関わる人たちの一部で立場の違いを超えて情報を共有する機会があり、暫く作業を「休止」して様子見することになった。損失もあるが長期的には正しい結果を導き出せるだろうし、身体は休ま…

眩しい陽射しの下、首筋の奇妙な悪寒を包むフューシャピンクのウールのストール

お弁当は、白米おにぎり(梅干・海苔、刻み紫蘇と胡麻混ぜ、山椒味噌・青大豆きなこ)と自家製即席味噌汁(湯葉、わかめ)だけの簡単なものにしたが、それでも準備できて良かった。大げさでなしに、「最低限の日常が送れる尊厳を守ること」と「自分にとって…

薄曇のソファにようやく息つく遅い昼食。淡味の染み入った淡竹の煮物

仕事でも、友人とのやりとりでも、連絡のすれ違いが起こりやすい日。水星逆行もあと一週間の時期らしいとでも言えるのかどうか。 帰宅は決して早いとはいえない時間だったけれど、家の中が静かな状態で、溜まっていた書類の始末にぼちぼち取り掛かることがで…

新月の夜の暗い窓と、丸々と白く開く芍薬二輪のコントラスト

指先の小さな虫のような動きや、床に倒れては起き上がる反復の滑らかな流れが、「意味」を超えて目を惹きつけ、「雄弁」といえば実態から離れたクリシェになってしまう、静謐な吸引力、現出力を持っている状態。招待された小さな劇場でコンテンポラリーダン…

日蔭のスクーターの上に所在無さげに干された、銀色の中国獅子の「皮」

かつて、詩人であるが為に弾圧された人たちがいた。彼らの行動や思想、作品が結局どのような政治的立場に与していたか、それが優れた正しい芸術や賢い人生の選択であったのかどうか、あるいは彼ら自身がどの程度自分の表現内容を信じていたかさえも関係ない…

白芍薬の蕾―起き上がる最初の花弁に、ふかふかと緩んで続く(意外にも速く)

門外漢の一般人が、膨大な陳述や詳細な検視報告を読む状況は、意外とありうる。身体の痛みが強くて挫けそうな中、追い立てられるようにか駆り立てるようにか、一日、一週間の仕事を終えるしかない時間がやって来て、夜更けのバス停で自分に「本日ここまで」…

「外国語」を話す声音の高さが、「母語」よりも気楽な瞬間

一進一退なのか、時間に追いつきがたい体。朝、窓際に並べてある石から選んで「一日のお守り」にしたのは、ローズクォーツのタンブルと、アクアマリンの原石。 そんな状態で法律テキストを読むのは捗らないが、振り返ってみれば、「贈り物」について考えるこ…

短冊人参の切り口から明るくなる、朝の調理台

時間も材料も足りないところから、思い付いてお弁当を作るのは楽しい。前日の切干大根の煮物が沢山残っていたので、比較的薄味なのを幸い、ブロッコリーやセロリを足し、トマトピューレと隠し味八丁味噌で、「洋風(もどき)」アレンジ。ごろごろ入っている…

22時の指を急な夜風より穏やかでお喋りに冷やす、レモン入りハイボールのグラス

前夜遅くまで、自分の状態を書きとめてしまうと、徐々にすっきりした心持ちになって、お腹をオイル湿布で温めながら、水分を摂り、法律のテキストも興味深く読み、だらだらせずに適当なところで区切りをつけて、すんなり眠ることができた。 そのせいか、今日…

公園の緑、あるいは陽射しを「午後」とみている腕のあたり

仕事場では誰も気付かないけれど、用があって訪れた友人には、かなり疲れているだろうと指摘される。その友人が定期的に仕事場に来る時は、持ち寄りのお弁当で一緒に遅めの昼食を摂りながら、打ち合わせや雑談をするのが常なのに、今朝はその準備もままなら…

ガラスコップのお湯にローズエッセンスを3滴。何輪もの花を飲み干す曇りの夕暮れ

時間はあるのに、いまひとつ元気が出ない。楽しみにしていた筈の外出予定は、あまり気乗りしなくなり取り止め。雨の音を聞いて室内に篭りきりだが、片付けものや勉強にも手がつかない。 夜も近づいてから、書棚に飾ったオーニソガラムが、さらに力強く花弁を…

降りかけて止んだ雨、の後の曖昧な空、を覗き見る窓

午前中、洗い物や掃除を終え、休日とはいえ、ほんの短時間仕事場に行くぐらいのつもりが、先に向こうから緊急電話。移動する時間も惜しいので、そのまま自室で電話とメールのやりとりをしながら、座りっぱなしで夕方まで仕事をする。 思いがけず時間が掛かり…

みんな帰った店先を照らす蛍光灯の上、巣立って間もない寝起きの小燕が、ぼんやり辺りを見回す

お弁当はいつもの1、2分搗きの胚芽米を圧力鍋で炊くパターンだけれど、15日ということで思いついて、小豆ご飯にした。他に、鳴門金時とあらめの煮物、小松菜・人参・しめじの和え物(蒸し煮して、練り胡麻・白味噌に白梅酢少々)。 仕事は昨日一段落した続…

眩しい昼間の道路脇、突然の空き地の緑から立ち上がって紛れない、ピンクのポピー

朝は和やかな様子だった筈が、出かける直前、家族に頼んでいたことが何ヶ月も放置されていて対処も渋られたので、癇癪を起こして反省。 仕事は遅くまでかかったけれど、一段落(あくまでも一段落)。帰路、野菜彫刻の鳥たちが囀る、中国の精妙な精進料理の写…

風の強さ冷たさに、薄いコットンニットのカーディガンをかき寄せる、夜の信号待ち

仕事は、少し遅めの時間への居残り処理に逆もどり。仲間に振り分けて身軽になった筈の仕事が予定時間までに進んでいない為、結局自分で仕上げることになるし、遅くまで仕事場にいると、何故か新たな用件の電話が次々入ってくるしで、優先的に集中したかった…

やっと降り出し、窓を開ければ広がる雨音の景色の遠近法

朝はアボカドをつまんでから、お弁当を用意。炊けていた白米ご飯を使って、チャーハンにする簡単パターン。ひじき、人参、いつもはあまり使わない中厚のベジミート、キャベツ、しめじ、ご飯、さやえんどう、青ねぎ、と炒めていくだけ。ベジミートは、まだ残…

昼の熱を知らぬ間に蓄えた掌の温度に、自ら驚く夜半

強い陽射しに身体が驚いているからか、仕事のせいか、睡魔が早く来る(といっても帰宅して一段落ついたのは日付が変わってから)。夜更かししての勉強は無理、と思ったが、取り敢えずコンピュータの前に座る。残業して仕事を仕上げるつもりが、強制的に仕事…

炭火の陽気な暖かさと、外気の爽やかな冷たさが交差する、夕方のバーベキュー

仮眠後、朝から会議の資料づくりをして仕事場に出かけ、午前1時過ぎ(カレンダーでは翌日)、やっと仕事、仕事、仕事から帰宅。勉強の時間を作るほど元気ではない、由々しき事態! 帰路タクシーに「近道」を任せたら「道を間違えて」倍以上の遠回りになった…

赤、ピンクのグラデーション―カーネーションの束、ワンタッチリボンの山

歯科の待合室で法律のテキストを読んでから、大々的な検査の後、最近懸念の仕事の一環でやむをえず、すぐに仕事場へ移動。打ち合わせしてみると、心配していたほどでない状況が感じられたのはよかったが、それでも手間がかかること!昼食もそこそこに、また…

またほんのりと、色濃くなったひまわり。ほんの少し赤み混じりの、力強い黄色

5月8日の日記だけれど、今はもう9日。仕事が長引いて帰宅すると、日付が変わっていた。すべきことは多いし、その中でもすっきりしない、殆ど理不尽ではないかということもある。周囲に普段、穏やかで筋の通った人や状況が多すぎるのだと思って妥協したくはな…

銀色のブラインドに淡く映る、ひまわり二輪の黄色

肌寒い日。レインコートを着て出掛ける。 仕事は込み入っていたり、単に手間が必要だったり、数も多かったりで、仕事場での英語レッスンにさえ出られず情けない。(休日も仕事が続いて家族を手伝う時間も削られているし、もっと自在に言語ができるようになっ…

複雑、壮麗の可逆性―ヘッドフォンの響きから緞子を織り出す、ブランデンブルク5番のチェンバロ

ホロスコープを読むのは、連想ゲームのようだし、もしかすると、物語のプロットや登場人物の相関を考え出すのも、似た感覚なのだろうか。質問者である友人の気持ちや立場を慮るあまり、他者のとも自分のともつかない願望を投影することで、僅かな安心材料を…

雨上がりの夜の庭で、ひんやり湿った山椒の棘と、若い葉の香りが指を刺す

お節句らしいことがしたくなる。筍を買いに市場へ出かけようと思っていたら、近所の方が、茹でた筍をお福分けに持ってきて下さった。特にレシピも無く分量も適当に、筍寿司を作ってみる。豆腐店の、かりっとした手揚げの薄揚げと一緒に昆布だしで炊いて、寿…

分厚いガラスコップの湯の中で、ミントの緑は、鮮やかな「別もの」になる

夜、静かな自室で一人になって、生葉のミントティのコップを傍らに、ほっとした。昨日出かけた時に青果店で見つけた、手にあまるほどの束で大安売りのミントは、ミントティにしても、すっきりしたメントール香よりも、それを柔らかく包み込む、甘いような香…

ぱぼたわみら んあー んわー と、 んと、ん(或る元永定正の絵に「なる」動き)

コンテンポラリーダンサー達によるワークショップ2コマに参加した。少人数の、穏やかな雰囲気。まず身体の基本的なコンディション調整のテクニックを幾つか教えてもらいながら、よく自分でもストレッチなどする時は意識しているけれど、日常生活でぼんやり…

終電ひとつ前の車内、走行音に響きを添える、高低いくつかの米語の鼻音

朝、早くから起き出せず、出掛ける時間ぎりぎりまで横になっている。お弁当は、三角おにぎり3つ(梅干入、おぼろ昆布巻き、刻み高菜漬入)を作って専用ケースに入れ、即席味噌汁セット(乾湯葉、ねぎ、アオサ、味噌)を別の小さいプラ容器に入れて、10分も…