綴りかた日記

はてなダイアリ―から移行しました(2019.02)

陶器の白い曲線を伝って突如立ち上がる、3日前の林檎のぬるい匂い

日中は家事や自室の片付けなど。不要の書類を処分しながら、書棚の他に窓辺にも花を活け足す。

ペースが落ちてきた夜になって、目標に取り掛かる。
翻訳は、昨日手書きしていた部分をチェックしながら、新たに3パラグラフほども加えてPC入力。20分を少し超えて切りのよいところまで。
(ここで家族帰宅して一悶着。何故か突然鼻血が出る。)

法律は、基礎篇のテキストを見ながら解説DVDを約30分視聴。これは後半、かなり集中力・理解力が乱れていたこともあり、復習は絶対必要。

入浴してやや落ち着いたところで、『光が射してくる―北村太郎 未刊行詩とエッセイ1946−1992』を手に取る。
語りえないものの痕跡がある。例えば1970年代になってから学生向けに書かれた、こんなあまやかな一節がある作品にさえ。「世の中にはなんとたくさんの/学問があることかと呆れるひともいよう//(中略)あるいは汗とにくたいと精神の /たぐいない繊細な秩序にうなだれるひとも//だが/きみたち/ときには思いだしてくれ/きみたち/向かい風の冬の滑走路を全速力で直進し/いま飛びたとうとする轟音のかたまりのように/決意することができると」(「青の時代」)。
そして語りえないものの処理の仕方に、個々の詩法や詩自体の成立がかかっているのを改めて感じる。一方、一時的にでも沈んだ心持になった後には、言葉がこちらに入り込んできすぎるようで、それを迎え入れながらも用心してブロックしている意識が自分にあるのをどう処理するかも課題。

呼吸を深くしてみるよう、注意をはらいながら就寝としよう。この後でいちばん目にとまる美しい石も選んで手にしながら。