綴りかた日記

はてなダイアリ―から移行しました(2019.02)

オレンジとクレソン、アボカドとイチゴ(バルサミコ風味)、塩茹でスナップえんどうとひじり茸ソテー、簡素なペンネ(マスタード風味)―深夜さらさら、ゆるやかに繋いでいく、ガリラヤから来たオリーブオイル

楽しい、あるいは、もの哀しい、小さな愛おしいエピソードを次々と想起し、語ることは、もしかしたらイリヤ・カバコフ描くワイン・ラベルの、天使の羽の連なりと、中心部に丸く開いた光に導かれたのだろうか。
仕事の後、急いで何品か「おつまみ」になる野菜料理を準備してから、一変した時間の流れ。一般的には大変だと思われる事故が起こっても、身は無事だったからか、「かえって、せいせいした」と友人が言う。落ち着いた丸みがありつつ料理ごとに味が随分変わってしまう線の細さも持つ7年前の赤ワインや、ひたすら華やかに変化しない12年前のシャンパンを頂いたり、即興でシンプルに、ワインには絶妙な塩加減でパスタを料理してもらいながら、時間を忘れてお喋りが続く。自分の過去の「選択」を間違いと捉えられるかどうか(それも必要としても、今、これから、何を選択するかだけが重要なのでは、と私)、自分と違う考え方や資質を持つ人々であればこそ「尊敬」できること、占星術上の金星、カトリック小野十三郎、「今の日本人の社会に、詩や文学の余地や未来が無い」という友人の持論、料理の上手下手は天分か、勉強や交友関係のことなど、訥々、あるいは止め処もないかのように。
外に出れば、夜の並木道で満開になった桜が一つの花房ごとに、驚くような立体感をもって、咲いていた。
(法律テキストは朝も開いたり、持ち歩いてみたけれど、ほぼ手付かず。明日はその分も何とかしよう。)