綴りかた日記

はてなダイアリ―から移行しました(2019.02)

休日の空、昼に見る夜に見る上弦の月

歯科、美容室、家族に頼まれた贈答品選び、身体鍛錬の参考書購入など―一日、賑やかな街に出て、自分のための休日らしい用事が次々片付く。通りがかりのアクセサリー店で、掌大なのに嘶いてどこかへ駆けていきそうな躍動感のあるヴェネチアングラスの馬など、ハレやケに捉われない大胆で優雅な品物を見かけた。万人向けの価値の高さとは関係なく、固有の美しさに本当に自分の心を惹かれ、職人芸の精妙さや独創性を認めることができるものだけ、身につけるのが、生活の必需を超えた部分での「装う愉しみ」の本来なのだろうと改めて思う。
昼と夜、友人と寛いで、仕事や勉強のことなど話す機会もあった。昼は大通りの陽射しの強さとうって変わって涼しい静かな道に面したテラス席から木々の緑が見え、木枠にガラスをはめ込んだ囲いと、布テント天井の間から吹き込む微風や、子どもがでたらめで楽しげな即興歌を歌う小声が気持ちよく、ヴィーガン向けランチセットでは普段自分で作る手間をかけられないアーモンド揚げなども堪能して、お互いにハンドマッサージをしたり。(後で書店に行ったら、手に特化した「ゆる体操」の本を偶然のように見つけた。まずは中心軸を明確にしてから読んでみたいと思う。)夜は一瞬様子を見に友人の仕事場に立ち寄り、髪を手入れしたのを褒めてもらい、リキュールを一口ご馳走になって、また首筋などをマッサージしたり励ましあったり。面白いことに友人は私に、早く40歳代になってほしいのだと言う。きっと美しく賢く、成熟した10年間を作っていけるに違いないと。
まだ時間はあるといっても、漫然と過ごしていればそれほど理想的なスタート地点にも辿りつかない。法律テキストを少しだけでも開く。「水」を使った日課の「儀式」も。