綴りかた日記

はてなダイアリ―から移行しました(2019.02)

夕方間近の涼やかな風が、窓辺で絹のとろみの香煙と混じりあう

体操、マッサージ。梅醤番茶は瓶入りエキスを使わず、生姜を多めにすりおろし、南部の梅干をつぶし、ほうじ茶を注いで作ってみる。ほうじ茶は冷まして塩を溶かし、目鼻を洗うのにも使う。随分すっきりして、くしゃみや鼻水も止まり、今日の予定をすべてこなせそうな気がした。
母方の家と父方の家、両方に別々の菩提寺のお坊さんたちが遅ればせのお彼岸参りと月参りでやってくるので、早朝から2軒分のお供え膳用の精進料理を作り(昆布と蓮根・人参・干椎茸・高野豆腐・三度豆の薄味の煮物、オクラの練り胡麻・すり胡麻あえ、花麩とワカメの味噌汁、奈良漬)と自分の普段のおかずの延長ではある)、母が掃除や片付けをする手伝い。
ところが1軒目で母が準備中、約束の予定より30分も早く、とある「スポーツ用品」店の店主が、練習場への迎えに来て下さったらしい。2軒目で掃除をしている私が知らない間のことで、母にすれば(私は予定をそれとなく話していたつもりなのだが)預かり知らぬことだし今日は私の体調が良くないようで多忙だからと対応して帰って頂いた、と後で電話が入る。先方には直ぐに謝罪の電話をしたが、既に次の予定で移動されているので今日は予定キャンセルとなり、釈然としない。
尤も、アレルギー性鼻炎のような症状が治まったとはいえ、何とはなしに頭の奥のほうが揺らぐ感じが残っていて、緻密な安全管理も含めた集中力、重い道具を操作する体力が必要な競技を久々に、しかも慌しい合間にするというのは、うっすらと不安があったのも確かなので、これも必然だったのかもしれない。気を取り直して、家族のための身近な雑用を続ける。
仕上げに玄関に飾る花を取りに行くのが間に合わなかったが、土間を掃き清め、鳩のつがいを模った花瓶に庭のオキザリス・レグネリーを摘んで挿したり、昔、子どもの頃からずっと習っていた書道の先生が書いてくださった柿の俳画の小型色紙を飾ってみると、家の中に、まだ暑さを残しているとはいえ爽やかな秋空の光が、まろやかに回っていく感じがする。
「来客」予定がすべて無事完了したところで、近所に暫く滞在中の友人から誘いがあり、明るくゆったりした喫茶店で合流。アルパの演奏を聴きながらポットサービスの珈琲をご馳走になり、最近の読書や事務手続きの様子などを聞き、互いに近頃多忙だったので久しぶりにゆっくり落ち着けて気分転換になったと、にこやかに解散。
帰宅後、仕事場からの連絡で、英文をひとつチェック。その後、武道家のメソッドを使った公演を観たり、「スポーツ用品店」へ菓子折を持っていこうかとも思っていたが、これも面倒になってきてしまい、まず目の前、身の周りの片付けに専心することにした。(夜、後になって友人が電話で言うには、昼間に会った時にはネガティブなことを言うまいと口に出さなかったのだけれど、私が疲れている様子が見えたのだとか。元気がないのに、あれもこれも用事をしようとして結局だらだらしてしまうよりは、思い切って積極的な休養を確保するのも大切なことかもしれない。)
自室でまろやかな香りのお香をくゆらせ、「美味水」とルチルクォーツを入れたお白湯を摂ったり、自分の状態を整理して捉え、メンターに伝えようとするうちに、操体の「自発動」のように胸、肩甲骨、首筋などが順に芯のほうから揺れてほぐれていく手応えがあり、驚きつつも嬉しいことだった。
自分の書棚や書類の整頓や勉強、仕事のしこみは捗らなかったものの、夕食の準備は随分と手早くできる。電気炊飯器が壊れているので、家族の分もご飯を炊くのは、自分のお弁当づくりとは違う米の種類、分量、水加減、鍋の使い方に慣れず、まだいまひとつだけれど、加減が見えてきた。